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2004年1月15日〜2月22日
From Nagoya




1.序章 「遥かなるインド」

2.喧騒の街「ダッカ」と「ロケットスティーマー」
3.世界遺産「シュンドルボン」と「バゲルハット」
4.世界遺産「バハルプール」、そしてインドへ
5.憧れのインドと美しきダージリン
6.インドバスと聖地ブッタガヤ
7.聖地「バラナシ」
8.エロティック遺跡とムガール帝国の遺跡都市オルチャ
9.タージマハルと最後の街「デリー」




7.聖地「バラナシ」

早朝のガンガー(ガンジス川) 早朝プジャゲストハウスの屋上に立ち、ガンガーを一望する。  

素晴らしい。。。
思わずため息が出る。  

大きく緩やかに流れる聖なる河ガンガー。
朝日を受けてオレンジ色に染まるガンガー。
インド人にとって聖地であり、
そして我々バックパッカーにとっても聖地であるガンガー。

今、そのガンガーが目の前に広がる。
早朝のガンガー


インドの中でもデリーやタージマハルがあるアーグラと並び多くの旅人が訪れるバラナシ。そこにヒンドゥー教徒の聖地であるガンガー(ガンジス河)がある。死後彼らはこの河のそばで焼かれ、そして灰になった自分がこの河に流される事を最上の喜びとしている。そのためインド全土から多くの死期の近づいたヒンドゥー教徒がここバラナシを目指して歩いてくる。

バラナシの街
バラナシの街

そんなバラナシは、バックパッカーにとっても特別な場所だ。
パッカーの間で「沈没」という言葉がある。
これは旅先の街が気に入り、そこに何をする訳でもなく長く居座ってしまうことを意味する。そういった街々の特徴として、物価が安い事や、美しい風景、ご飯が美味い、気候がいいなど条件がある。例えばネパールのポカラ、中国の大理などが沈没他として有名である。
そんな沈没地の中でも「バックパッカーの聖地」となるとタイのバンコク(カオサン)とここバラナシぐらいだろうか。カオサンはすでに旅人臭い雰囲気はなく、タイの若者も集まるようなこじゃれた観光地となりつつあるが、ここバラナシはまだまだ混沌さが残る魅力的な街だ。

涼しい朝風を受けながらコーヒーを飲む。畏怖と憧れだったインド。その象徴だったガンガー。「聖地」などという言葉に惑わされながらも、朝日を戴きながら飲む朝のコーヒーがとても美味しい。


聖地ガンガーでの沐浴
ガンガーでの沐浴

バラナシまでのバスの中で今回初めて日本人シェアとなるたくぞー君に出会った。東南アジアを周ってきて、タイからインドに来たとのこと。ここバラナシには5日間ほど居ることになったのだが、その間ずっと宿をシェアしていた。久々の日本人シェアなので嬉しい。  

滞在中ガンガーには何度も出かけた。
早起きして日の出を見に行ったり、河辺で座ってチャイを飲んだり。インドは動物天国なので、河辺にいる野良イヌや野良ヤギ、野良ガキなどともよく遊んだ。
それにしても不思議な河だ。聖なる河と思い込んでいた為か、この汚い茶色の水でも聖水として思ってしまうのだ。やはりガンガーはすごいのかもしれない。野良ガキによる物売り攻撃も激しいが、慣れてしまえばなんてこともない。のんびり本を読む旅人も少なからず見かけた。 (写真右:ガンガーでの沐浴)  

街はなかなか強烈である。
ダージリンよりも更に細かな路地が入り乱れ、その狭い隙間を溢れんばかりのインド人やイヌ、ウシ、そして旅行者が入り乱れる。路地を歩いていると突然行き止まりになっていたり、食堂が現れたり、民家の家に入ってしまったりととても楽しい。このような街は初めてだった。ちょっとした探検隊気分を味わうことができる。怪しい物もかなり売っている。自分はやらないが薬も予想通りたくさん売られているようだ。


おかまのインド人「ビジュルラー」

「ラームナガル城」というムガール時代の城をたくぞー君と見に行く事にした。歩いて行ったのだが、途中変わった物を見ることができた。インドのおかまである。

ある民家の家の前を通ると何やら歌と楽器の音がする。何気なく中を見てみると小さな庭にインド人達が集まり、真ん中の人が踊っていた。よく分からないが何かの祝い事のような感じがする。たくぞー君が興味があったらしく、興味深く見ていると「中に入れ」との声が掛かった。遠慮なしに入ると一番前の特等席に座らされた。
「ビジュルラー」と呼ばれる彼女(?)らはカーストの中でも身分の低いおかま達だそうで、インド人の結婚や出産の際などに呼ばれ踊りを披露するとのことである。妖艶な踊りといい、心地よく響いてくる大きな歌声といいなかなかのものである。
しばらくの間その歌と音楽に陶酔した。チップ(祝儀?)は100Rpとはずんだ。良いものにはそれなりの評価を与えるべきだし、たくぞー君は幸運だったととても喜んでいた。 (写真左:おかまのインド人「ビジュルラー」)    


サールナートの仏塔
サールナートの仏塔 修行するブッタ

バラナシ滞在中、バスで1時間程度にあるサールナートへも足を運んだ。ここはブッタが悟りを開いて初めて説法をした場所である。
ブッタはその悟りを、ここサールナートで一緒に修行をした5人の修行者とシカ達に語った。ここで初めてことばになったその教えはその後世界中へ広まって行く。と、まあ仏教好きの自分には行ってみたい場所のひとつなのである。

ちなみに、
ブッタ誕生の地「ルンピニー」
悟りを開いた「ブッタガヤー」
初説法の地(初転法輪の地)「サールナート」
ブッタ入滅の地「クシーナガル」は仏教四大聖地とされている。

サールナートは小さな街である。バラナシから日帰りで行けるし、ブッタが説法を行った場所も今は公園としてきれいに整備されている。大きなストゥーパ(仏塔)は圧巻であるが、のどかな公園はのんびりするには良い場所だ。  
ところで、ここサールナートにとても興味深い場所があった。公園内に「ムルガンダクティー寺院」という建物があるのだが、その中に壁面いっぱいにブッタの生涯を描いた壁画がある。何でも戦前に日本人画家、野生司香雪と言う人が描いたとのことらしい。ブッタ誕生から入滅までとても興味深い絵が描かれているが、そのうちの一枚が目にとまった。右の壁画はブッタが悟りを開く前、自身に厳しい修行を与え、食事も摂らずに座して修行しているものなのだが、これがある人にそっくりなので不謹慎ながら笑ってしまった。平井○んだ。そっくりなのだ。けけけっ。  

そんなこんなでバラナシの5日間はあっという間に過ぎてしまった。ごちゃごちゃして未だに路地で迷いそうになるバラナシだが、決して嫌味はなかった。甘い汁を吸おうとする輩はこの街でも多くいたが、そのすべてが「自然」だった。欲望にも、生活にも、時の流れにも。すべてが自然なこの街は、やはり旅人にとって沈没しやすいのも「自然」な事なのかもしれない。

バラナシの野ヤギ
バラナシの野ヤギ


もうしばらくバラナシに残るたくぞー君を羨ましく思いつつ、次の街へ向かうことにした。そして初めて本格的なインド列車を経験することになるのだが、改めてインドの偉大さを思い知ることとなる。本当に退屈しない国である、インドは。


データ
ガンガーでの朝日: 午前6時過ぎにガンガー付近で交渉。船がたくさん待っている。50ルピー/1人。それなりのコースを回ってくれる。ちなみに、この日は6時45分の日の出だった。
サールナートへのバス: バラナシ駅前から出発。約25分。




8.エロティック遺跡とムガール帝国の遺跡都市オルチャへ

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