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2008年1月4日〜6日
On the way of transit
香港・マカオ

1.観光地「マカオ」
2.混沌と光の街「香港」




香港について意外と知らない事が多かった。
例えばその名前の由来。諸説があるようだが、昔、香木が集まる港として栄えた時期があり、そこから「香木の港(香港)」となったという話。それから香港の食と言えば「飲茶」が有名だが、ワンタン麺もここの名物だったということ。そして香港に対しては随分と古いイメージを持っていたのだが、街として栄えだしたのはイギリスの支配が始まった1800年代中ごろ、つまりまだ百数十年の歴史しかなかったということ、等など。
これって、単なる自分が無知なだけなのかな。


気が付くと周りの客が騒がしくなっていた。時計を見ると15時半。そろそろターボジェットが香港に着く時間だ。
入管でパスポートに再び香港の印が押される。同じ中国なのに何故だろうとふと思う瞬間だ。

さて、これからの予定はあまり決めていなかったが、この上環の近くにある文武廟に行く事にした。歩いてゆける距離だし、香港島最古の廟だというし、近くにあるキャットストリート(泥棒マーケット?)にも興味があった。

空を突き刺すような高いビル群
夜の香港
マカオ行きフェリーターミナルを出て香港の街を歩く。
さすがにアジアを代表する大都市だけあり、空を突き刺すような高いビルの群れや整然とされた道路が目に付く。そしてその道路には多くの車、そしてカラフルな2階建てバスが街を彩っている。こんなコンクリートばかりの街なのに、歩道には多くの人が歩き、スペースがあると屋台さながらの店が出されている。
それにしてもこんなに無機質な街なのに、何故か息苦しさをそれほど感じない。逆に心地良い時すらあるぐらいだ。理由は歩いているうちに気付いた。

「混沌がある」

香港の街には、マカオで感じられなかった混沌があった。これを文字にして説明するのはとても難しいのだが、あえて言うならば「人の香りが、泥臭さが感じられる場所」とでも言おうか。だから見上げるような高いビルを見ても、道路ぎりぎりに走る車を見ても息苦しさを感じることはない。
あのマンションの汚い窓の中にはどんな生活があるのだろう。そこの路地の先にはどんな人がいるのだろう。この店で売っているあれは何だろう。そして何だこのゴミは。そんな事を考えるだけで自然と足が進む。




キャットストリート 毛さん腕時計(マウスをあてて下さい)
当てずっぽうで歩いていたが、何とかキャットストリートに辿り着いた。
ここキャットストリートは、以前中古の日常生活用品を主に売っていたようで、盗まれた物があればここに来れば見つかると言う場所だったらしい。しかし人々の生活向上と共にその役割が失われ、今は観光客向けのアンティークや土産物を売る店が並ぶ通りとして復活したそうだ。

わずか100mちょっとの道だが、両側にいろんな小物を売る店が並んでいる。香港の昔をイメージしたような絵やポスター。骨董品だか何だか分からない置物や古い時計。その他にも探せば結構色々ありそうだ。
中で少し気になったのが、毛沢東シリーズ。ポスターや時計、トランプと様々なグッズにされている。結構悩んだが、思わず「手を振る毛さん腕時計」を買ってしまった。またくだらない物が増えてしまった。。(30香港ドル)

文武廟
スターフェリー
文武廟に到着した。
先にも書いたが香港最古の廟であり、文字通り文武の神が祭られている。三国志の関羽もいるそうだ。
建物自体は小さかったが、中の雰囲気はちょっと意外だった。

やや暗めの廟内に、数え切れないほどの釣鐘状の線香が吊るされている。そして息苦しいほどの煙の中で参拝者が熱心に祈りを捧げていた。カメラを構えて入った自分がちょっと場違いな感じもしたが、他にも熱心に写真を撮る人がいたのでそれ程問題ではないようだ。しかしこんな大きな、しかも釣鐘状の線香を見たのは初めてである。先のマカオの教会とは別の意味で、神聖な気持ちになる。悪くはない場所だ。


さて、ここで宿に向かう事にしたのだが、途中香港を代表する乗り物、スターフェリーに乗ってみた。
100年以上の歴史を誇るこのフェリーは、とてもゆっくりと九龍と香港島を結ぶ。10分足らずの船旅だが、大都会香港と潮の香りを味わう事のできるとても贅沢な乗り物だ。
ふと、バングラディッシュで乗った古い船「ロケットスティーマー」に通じるものを感じた。それはやはり、古きイギリスの香りがしたからだろうか。気品高いのに居心地がいい。とてもお勧めである。

香港での滞在先、九龍(尖沙咀)に到着。
さて、実は日本を除いては初めてであろう、ゲストハウスの予約をしておいた。街によっては宿探し自体楽しいこともあるが、今回はできるだけ時間を有効に使いたかった為である。泊まったのは尖沙咀駅近くにあるDragonInnだ。かの有名な重慶大厦(チョンチンマンション)の中にある。450元とかなり高額だが、時は金なり、事前予約しておいた。

重慶大厦前
エレベーター前(モニターで内部が見える)
重慶大厦の前に立つ。古く、威圧感のある建物だ。
中に入ると更に威圧感を感じる。色の黒いインド人(アフリカ人?)ばかりである。何でここはこんなに彼らの密度が高いのか、と不思議に思うぐらいたくさんいる。両替商やインドカレー屋、それに何を売っているの分からない店等など。こんなところでのん気にゲストハウス探し等していたら、ちょっと危ないかもしれない。

そして有名なエレベーター。数が少ないのでかなり待たなくてはならないし、中は密室になるので危険だと言われるものだ。今は外から監視カメラで中の様子が分かるようになっているが、それでもあまり気持ちのいいものではない。

適当にチェックインした後、夕食の為に再び外に出た。
近くにあった麺屋に入る。ここで食べてみたかったワンタン麺を注文したのだが、かなり期待外れだった。
ワンタン自体はとても美味しかったが、麺が酷い。まるで先のマカオで遭遇したショボイ乾麺の再現である。スープもワンタンもそれなりの味なのに勿体ない。しかも店員の態度。中国接客にはそれなりに免疫があると思っていたのだが、ここの店の傲慢な態度には非常に腹が立った。空いている席があったにもかかわらず無理やり相席を強要されるし、食べ終わったばかりなのに早く金を払えという態度をする。量も少ないのに28元(約420円)と高額を支払ったのだが、気分を害しただけに終わった。


という訳で美しいものを見に行こうと思い、尖沙咀のスターフェリー乗り場にあるプロムナードに向かった。
目的はここから眺める香港島の夜景を見る為である。そして20時からは「シンフォニー・オブ・ライツ」と呼ばれる光のショーも行われるという。大きなビルから放たれる幾つもの光線が夜空を飛び交い、それに合わせて様々な音楽が流れるそうだ。
まあ、どちらにしろ百聞は一見に如かず。愛用の携帯用三脚をセットし、その時を待つ。
20時。中国語のアナウンスよりそのショーが始まった。


シンフォニー・オブ・ライツ


この手があったか。。
そう思った。物価が高く、歴史も遺跡もない。そんな香港が他者と差をつける方法。ただの夜景なら他にもたくさんあるが、こういった方法を考えつくとは。思わず感心してしまった。
予想よりは少々光が少なかったが、それでもこの夜景自体すでに観光資源としては相当なレベルなので大満足である。





さて、時計を見ると20時15分過ぎ。気合を入れればこれからヴィクトリア・ピークに行く事ができる。そろそろ足が疲れてきたが、スターフェリーに乗り込み再び香港島へ渡る。
大都市のいいところとはこういう時だろう。
ピークトラム
限られた時間内でも結構スムーズに移動できる。香港島のスターフェリー乗り場から、トラム乗り場までの直行バスが出ている。ほとんど歩かず、ほとんど待たずにトラム乗り場まで移動する事が出来た。いいぞ香港。
20時50分にトラムに乗車。
こんな時間だが週末だろうか、かなりの人で混み合っている。ちなみにここでもオクトパスカードが活躍。往復利用で割引もされるそうだ。素晴らしい。
ところでこのトラム、こちらも歴史ある乗り物だそうだ。1888年開業で300mほどのピークタワーを一気に登る。かなりの急勾配で首が痛くなるほどだ。

トラムを降り、2006年に完成したというピークタワーに入る。
ここでも既に結構高い場所のようで、眼下に広がる壮大な夜景が時々目に入る。しかし、トラムの駅からタワー頂上までが非常に長い。何度も何度もエスカレーターを乗り継ぎ、そして頂上一歩手前で入場料を払って、ようやくルーフトップに出ることが出来た。

強烈な風が吹きつける中、ようやくその景色を目にする事が出来た。


ヴィクトリアピークからの夜景


「おおっ」
何とも普通な反応であるが、素晴らしいものを目の前にすると非常に素直になる。そう言えば「100万ドルの夜景」という表現があったのを思い出した。細かな光がさざめき合い、1つの作品を生み出している。

夜景を見るたびに思うのだが、この光のひとつひとつにいろんな思いがあるのだろうと思う。暖かな家族の光。残業に勤しむ会社の光。公園の光、酒の光。色々な物語があって初めてこの景色ができあがる。そう思うとこの光のひとつひとつがとてもかけがえのないものに見えてくる。100万ドルでも買えない景色だろう。
周りではたくさんの人が写真を撮っている。
今まさに輝いているこのかけがえのない光。大切に切り取って持って帰って欲しいと思った。

夜景を見ながら妙な思想に耽っていると、随分と時間が経ってしまっていた。20時半を過ぎている。今日は朝の5時から動きまくっているので眠くなってきているし、足もくたくたである。ヴィクトリアピークをもう少し散策したかったが、そろそろ九龍に戻る事にした。帰りのトラムが思ったより混雑していて、麓まで降りると22時半前になっていた。

2階建てバスから 2階建バスと光の街「香港」
ちなみにここからスターフェリー乗り場までやはりバスを利用したのだが、乗ったバスが2階建てバス、しかも屋根がオープンタイプ。乗車すると、迷わず2階へ上がる。
「ああ、気持ちいい。。」

夜の香港を走り出したバスは、暗闇の中、光の壁がひしめき合う街を走り出した。横にはビルや商店の光が流れ、吹き付ける風も心地良い。時々歩道橋の下すれすれを通ったりして乗っているだけで本当に面白い。
椅子に座りながら上を見上げる。
やはりビルの森だが、光の森でもある。空を突き刺すようなビルだが、昼間の表情とは随分と違う。星こそ見えないが、香港は光の街でもあった。こんなに楽しかった公共バスは経験にない。


香港島に戻ると既に23時を回っていた。
本来なら宿に戻るべき時間だが、少しお腹がすいたし、ネイザンロードにはまだ大勢の人で賑わっている。地下鉄に乗って、もう少しだけ散策する事にした。
それにしてもこんな時間に女子高生ぐらいの女の子が平気で歩いているとは、香港って結構治安がいいのかもしれない。

旺角
ネイザンロードを走る地下鉄に乗り「旺角」で降りる。
何か面白い物はないかなぁと適当に歩くが、さすがにこの時間では多くの店が閉まっている。それでも、それに反比例するようなほどの多く人が歩いている。屋台などはたくさん開いていたので、早速買い食い。
「まずい。。」

揚げ物屋で買った得体の知れない物を食べてみたが、まずい。油臭いだけである。そしてココナッツジュース。何かココナッツとは違う物で、ココナッツジュースのような味付けをした感じ。どうもマカオ、香港と食べ物には運がないようだ。
しばらく歩いたが、24時近くになってきたので宿に戻る事にした。最後の方は、眠気と疲れで意識朦朧としていた。。


気が付くと時計は7時半を指していた。
昨晩、宿に戻ってシャワーを浴びるなりそのまま寝込んでしまった。カーテンを閉めてもネオンせいで昼間のように明るい部屋だったが、疲れのお陰で熟睡する事が出来た。

結構大きかったジャッキーチェンの手形
今日は香港在住の友人と飲茶に行く約束である。約束の時間は9時。8時に宿をチェックアウトして、朝の散歩に出かけた。
さすがにここは一等地。近くにあるスター・オブ・アベニューへも徒歩で行ける。ここの道路には、香港映画の有名人の手形等がプレートとして埋め込まれている。大して興味はなかったが、朝の散歩にはちょうどいい。海から吹きつける風が心地良く、たくさんの人がジョギングなどをしている。
ジャッキーチェンの手形などもあり、手をあてて見たが結構大きいので驚いた。


9時に友人と待ち合わせたホテルに行くが、友人が遅刻。何でも、
「タイ時間に合わせた」
らしい。
そのままネイザンロード沿いのホテルらしき場所で飲茶を楽しんだ。飲茶は初めてだったが、やはり期待していた通り美味しいものだった。いろんな美味を少しずつ食べる。最高の食の楽しみ方だろう。一人70香港ドル(約1050円)程度で済んだのも嬉しい。


友人に別れを告げて昼過ぎに香港空港へ戻ってきた。
行きとほとんど同じ方法、電車とバスを乗り継いで戻ってこれるのも便利だ。時間が読める。ちなみにオクトパスカードはここで返却できるが、100香港ドルを超えてデポジットの50香港ドルも少し使ってしまった。残りの保証金はちゃんと返却された。

5セントコイン
ふと返却されたコインの中に見慣れない物があった。
黒ずんだ黄色のコインで、白人の女性が描かれている。エリザベス女王の肖像のようだ。5セント。発行は1977年となっている。
香港に抱いていたイメージは、物価の高いゴミゴミとした街、であった。実際その通りであったが、それ以上に面白い物もたくさんあった。街が熱気を放っている、時間があれば目的を持たずにふらふらと歩いてみたい街である。そして、ゴミゴミとした印象を打ち消すような美しい夜景。その対照が何ともいい。
そしてどこか気品があるのも香港の街。このエリザベス女王の5セントを見ていて思い出したのだが、ここは以前イギリスの植民地だった場所。イギリスの文化と中国の文化が混じり合っている場所でもあるのだ。どうしてもマカオの「ポルトガルと中華文化の融合」に目が行ってしまいがちだが、香港だって立派に融合された文化を持っている。ただ、それらの建物などが少ないので目には映りにくいのであろう。2階建てバスやトラム、スターフェリーなどはどうしてもアジアの文化とは思えない。

シンガポールのような街だろうとほとんど期待していなかった香港。やはり先入観を持つ事は良くない事だが、今回はいい意味で裏切られた。

−香港は面白い。

正直な感想だ。








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