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2010年10月27日作成



重い思いのガイドブック


子供の頃、外出中にテレビが見れたらどんなに幸せだろうと思っていた。
スパイ映画張りに、時計にテレビがついていて、外でもアニメが見られる。
考えただけでも興奮したものだ。

バックパッカーの旅を始めて、それに似た思いをした事がある。
ガイドブックの電子化だ。
何カ国も旅して歩く場合は、ヘタレな自分はおおよそその国々を網羅したガイドブック
を持って旅していている。多少重くなろうとも、それはそれで我慢していた。
その時思っていたのが、携帯機器で衛星(何か古っ。。)を介して好きな情報を
いつでもどこでも入手できる。そうすればいちいち重いガイドブックを持って
歩かなくても良くなる。そんな風になったらいいなあ、ってずっと思っていた。
まだ携帯電話すらない時代の事だ。

ところが、それが現実のものとなりつつある。
この間あるニュースを見ていたら、iPhoneに地球の歩き方をダウンロードして
持ち運べるようになった、と書いてあった。
まさに昔描いた夢だ。
それを読んだ時には、結構興奮したのを覚えている。
時代もここまで来たか。嬉しい半面、でもなぜかなあ、寂しくも感じた。

その寂しく思った原因を考えてみた。
そしてすぐに分かった。答えは、「バックパッカーの旅に、便利さは求めていない」
であった。
極端な話、便利さを求めているのならば、個人旅行なんてやめてツアーに入ればいい。
でも、個人旅行をしているのは、日常の生活にない「不便さ」を求めているのでは
ないだろうか。
シャワーひとつにしてもボタンひとつで浴びられるんじゃなくて、水とお湯を調整しながら、
また時には時間制限を気にしながらシャワーを浴びる。そんな不便を楽しみながら
旅をするのが、バックパッカーの旅ではないかと思う。

ではガイドブック。
携帯端末で情報を得られえるのは、確かに便利だ。「重い」思いをしなくてもいいし、
書籍自体も結構高くつくもんだ。
でも、やっぱり何だか味気ない。
街中の食堂でコーヒーを飲みながら、ガイドブックを読む。これが携帯端末だったら、、、
何だか寂しい。
辺境に行けば、満足に充電もできないかもしれない。そうなると多くの情報を失う。
昔のガイドブックには、時々その時のメモなどが書いてある。後になって読むと面白い。
白人御用達の「ロンリープラネット」。電話帳のような厚いガイドブックを読みながら
静かに耽る白人も結構好きだ。
ドミトリーでは、先客の机に置かれた「地球の歩き方」を見て、「同じ国を旅して来たんだ」
と、仲間意識みたいなものも生まれた。
盗難や破損を考えると、荷物管理も大変になる。

仕事や先進国への旅なら、携帯端末でのこういった情報取得はありだろう。
でも、バックパッカーとして旅するお共には、「まだ」市民権を得ていないような気がする。
将来、どのような形になってゆくか分からないが、両者のいいところをそれぞれ活かして
いけばいい物もできると思う。
でも、「テレビ付きの時計」が現実になってもあまり興味がないように、「ガイドブック
の携帯端末化」が起きても意外に冷静に見ている自分が、何だか面白い。



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