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2019年7月23日作成



これまでの旅、これからの旅。


2020年で所謂バックパッカーの旅を始めて25年になる。
ここ数年は家庭も仕事もありまともなバックパッカーの旅はしていないが、その中でも旅を取り巻く環境はずいぶんと変化してきた。

初めてバックパッカーの旅に出た1995年は中国に留学をしていた時だ。いきなり中国の国内線や硬座(列車)で一晩明かすという難易度の高い旅になってしまったのだが、苦労がゆえに旅を終えた時の達成感は計り知れなかった。

当時はもちろんネットなども全く普及していない時代で、Eチケットもなければ旅の情報もほぼすべてガイドブックのみであった。残りは現地に行って情報を得たり旅人同士で情報交換をしたりしていた。長期旅行をする場合の連絡方法は、今じゃ信じられないが安宿の掲示板にメモ(伝言)を張ったりしていた時代だ。
ほぼすべてが手探りで旅をしていた時代に思う。


ここから2000年代に入るとネットの普及が旅を変えてきた。
旅の情報はネットで事前に手に入るし、人との連絡もメールであっという間に済むようになった。有名な観光地はもちろん、辺境のローカルな情報までネット掲示板で情報がやり取りされる。
安宿街のネットカフェには世界中の旅人がインターネットをするためにパソコンを叩いていた。


そして今。
旅を圧倒的に変えてしまったのがスマホである。
やれることはパソコンと基本同じなのだがアプリの登場でその情報量は圧倒的に増え、携帯性が付加されたことで旅のスタイルも変わった。スマホに現地SIMを入れネットに繋がれば無限の情報が瞬時に手に入る。どこにいても地図アプリで現在地が分かる。
ただローカルの列車やバスに乗ると、以前ならその車窓から景観を楽しんだり車内の人々のやり取りを眺めていたものだが、今はその多くの旅人がスマホの画面を眺めるようになった。それは現地の人も同様なんだが。


人は情報が好きだ。情報がないと不安になる。
ただ旅の途中でスマホをずっと眺めている光景は異様だ。車窓には退屈かもしれないが自国とは違う異国の景色が流れている。興味は引かれないのか。ぼおっと車窓を眺めて過ごすのも旅の醍醐味ではないだろうか。

少しずつだが便利になったせいで旅での人と人の交じり合いが減ってきている気がする。様々な旅のスタイルがあってもいいが、少なくともバックパッカーの旅は不便さに浸かるのもその楽しさのひとつであったと思う。安宿でよくある旅苦労の自慢話はその証拠。パッカーにとって便利過ぎる旅は魅力に欠ける。

寝台列車がアジア各地で減っている。安いが時間がいい加減で鈍行しかない寝台列車はまさにパッカー御用達の乗り物。ところが今は便利な高速鉄道が続々とそれにとって代わってきている。現地の発展を考えればそれも致し方のない事かもしれないが、高速鉄道で移動する旅と言うのも味気ないものだ。

「乗り物のつまらなさはその速度に比例する」

持論だが、高速鉄道に魅力は感じない。


この先旅はどうなっていくのだろうか。
極論だが、バーチャルの世界で自宅にいながら世界中の街や観光地を楽しめるようになるのかな。技術的には不可能ではないだろう。

ただ旅はひとつの物語だ。旅の計画から移動、人々との触れ合い、現地の自然や文化に感動し、時にはトラブルをも楽しで、家に帰り物語を終える。苦労した分、それは写真や映像では決して得られない体験を伴った物語だろう。

無論、バーチャルの旅でも体の不自由な人達などある程度の必要性はあるので全否定するつもりはないが、健康な若者がそんなんで旅をする未来は、見たくない。


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