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2006年9月26日作成


オールドカー



会社の通勤に使っている車がこわれた。
と言っても、会社から借りている車で自分のものではないが、それでもないと困る「大切な足」である。幸い従業員の中に2台車を持っている人間がいて、その車を借りる事ができた。

しかしその車が古い。とても古い。下、その写真。




車の事はあまり詳しくないのだが、表記を見ると「三菱ランサーF COLT」と書かれている。
持ち主も知らないらしいのだが、恐らく30年は昔の車であろう。しかししかし、この車とにかくすごい。何がすごいかって、、

・エアコン・ラジオが壊れている
・シートベルトが無い
・バンパーが外れかけている
・ハンドルが曲がっている
・信号などで停車するとガソリンメーターがE(Empty)を指す
・夜間の点灯時に、時々ひとりでにワイパーが動く

などなど。しかも車内が臭い。どう臭いかって、ふる〜い車の匂いを知っているだろうか。あれである。かび臭いって訳じゃないのだが、とにかく言葉通り「古臭い」。まあこれは乗車して窓を開ければ、すぐに気にならなくなるのでまあいい。

まだある。
乗り始めて3日目ぐらいで運転席のドアが開かなくなった。原因は分からない。持ち主も首を傾げていた。その日から助手席からの乗り降りとなる。買い物などに出掛けた時はかなり恥ずかしい。

さらにその翌日、仕事で会社の人間を助手席に乗せ窓を開けるように頼んだら、窓を開けるレバーを回している内に取れてしまった。ぐるぐる回していたら、ポロって感じで。本当にコントのような車である。


さてこんな車であるが、実際は実によく走ってくれる。
走り出しもヘンテコな音がする程度で、非常に好調だ。加速もなかなか。ただ4速ミッションなので高速で走ると辛い。時速80キロを越えると、エンジンの回転数が3000を越えるので少々怖い。その為2500回転を超えない程度(時速60〜70キロ)で走る事にしている。

そんな訳で走行時は左側通行、時速60キロととても安全運転である。
出勤には、時速100キロぐらいまで許可されている幹線道路を使っているが、やはりかなり遅い部類に入る。左側でトロトロ走っている感じだ。もちろん右側では自分より新しい車達がさっそうと駆け抜けてゆく。
そして今まであまり気付かなかった事なのだが、新しい車でもゆっくり安全運転している車や、自分と同胞のような車が結構いるもんだ。
世の中で起きている多くの交通事故は、ほとんどが運転手の過失によるところが多い。飲酒運転やわき見運転、信号無視に、スピード違反。。 すべては車の性能と、己を過信した為であろう。自己管理が出来ないのなら、危険な凶器にもなる車に乗る資格はない。

エアコンが壊れているので、走行時は窓を開けて乗る必要がある。どこか懐かしいエンジン音と、窓から入ってくる風。そしてガタガタと震えるハンドル。とても「走っている事」を実感できる車である。


最後に車の内部の写真を見てもらいたい。




非常に見辛いのだが、壊れたエアコンに「暖房機能」がついている。
常夏のタイでは、通常青色の「冷房」のみが標準である。暖房をつける人はいない。
と言う事は、この車は恐らく日本から中古車として、タイに持ち込まれたものであろうと思う。仮に30年前の車と仮定して、日本での持ち主はどんな人であっただろうか。

家庭を持ち始めた若い父親。恋人とデートを楽しんだ若者。
この車がどんな歴史を刻んできたかは分からないが、この車の中できっとささやかな幸せを育んだのだろうと思う。

とても恐ろしい凶器にもなりうる車。
でも、できれば幸せをつくる車でいて欲しい。





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