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2006年4月20日作成

撮れない写真



ここ数年、写真が撮れなくなった。
いや正確に言えば「一眼レフを使った写真が撮れなくなった」という方がいいかもしれない。

趣味は写真である。
主に風景や植物なんかを中心に撮るのが好きだ。人物は今のところ興味がない。

初めて写真を意識したのが、中国留学中だった二十歳の頃。留学中のたった1年で二千枚近くの写真を撮った。旅を始めた頃だったので、写真も無我夢中で撮っていた。
当時はもちろんデジカメなどなくネガフィルムである。しかも中国。フィルムの質は悪いのはもちろん、現像に出しても色はおかしい、印刷はずれる、穴が開いている等かなりひどい状況だった。
それでも二千枚近く写真を撮っていると、少なからず「いい写真」が撮れる。偶然だが、数打ちゃあたる、だ。
今、手元にあまり写真がないので公表できないが、少しある中で一枚。

菜の花/韓城

あまりいい写真ではないが、今ある中ではまともな方。広大な菜の花畑に感動したのを覚えている。ネガで撮った物をスキャンした為、色もかなり悪い。まるで曇り空だ。撮影当時はもっと空が青く、菜の花の黄色が鮮明だった。悪くない写真だが今なら構図をもう少し変えると思う。素材に助けられた一品である。

日常生活、そして旅の中で撮り続けた写真で、気に入った写真を幾つか眺めているうちに写真の楽しさを知った。「良い写真」の中には無駄なものがほとんどない。洗練された美があった。
そして少し勘違いをしていた。
「自分は写真が上手い」、のだと。

帰国後、早速写真を撮りに出かけた。
季節は春。そう、桜が美しい時期だ。コンパクトカメラを持ち近所の公園で美しい桜を撮る。
自信があった。でも現像して驚いた。
普通のスナップ写真だった。
幼心(いや未熟心というべきか)に思ったのが、「カメラが悪い」、やはり一眼レフでないといい写真は撮れないはずだ、と。早速だが、なけなしのお金を集めて一眼レフを買った。ミノルタ製の一番安いような品物だったが、それで十分だった。

意気揚々と再び撮影。
でもやはり何かが違った。スナップ写真の域を抜け切れていない。。なぜ?
本を買って勉強した。そうだ、フィルムが悪いのだ。ネガフィルムじゃだめだ。ポジを使わなきゃ。

ポジとはポジフィルムのことで、よくスライドなどに使われる。色の付いたフィルムみたいな物をイメージしてもらえれば良い。ネガフィルムが現像者の好みによって、いろいろ色が調整できるのに対し、ポジは撮影時の諸条件で色合いが決まる。撮影者の意図が反映されやすいフィルムである。その反面、撮影時に設定を間違えるとおかしな写真になり、現像時の修正がきかない。ネガではある程度、現像時に修正が可能である。店によって写真の色合いが異なるのはこの為である。

少し話がそれたが、ポジフィルムを使い出した。もちろんプロが使うようなフィルムである。フィルム自体もすごく高額だし、それに現像も当時で一枚40〜50円もした。ネガがプリント料(同時プリント)が無料だったのを考えるとかなり高額である。
フィルムのお陰でずいぶんと写真は美しく(鮮明に)なったが、結局は一眼レフを使いこなすだけの技量がまだなかった。その後、本を買って勉強し、写真もたくさん撮った。

本当は全部公開したいが、以下少しだけ。


かたくりの花
秋桜


今はどういう訳かタイに住んでいる。
南国であり、緑豊かな国である。イメージでは多くの花が咲き誇り、美しい木々が立ち並ぶ、、はずだったが残念ながらそうではない。緑が多いのは間違いないが、本当に緑一色なのである。
日本のように紅葉もなければ、色とりどりの花もそれほどない。はるかに日本の方が花の種類が多い。
写真を撮りたくなる衝動がないので、写真も増えない。正確に言えば「写真が撮れない」のではなくて、「撮りたい写真がない」の方がいいかもしれない。

今度、注意して歩いて見てほしい。
道端に咲く季節ごとの花々。隣のおばちゃんが庭に植えている名も知らない木花。木々の紅葉はもちろん、晩春の新緑の鮮やかさ。田んぼにだって四季折々の色がある。

海外に住んでみて改めて気付く日本の良さ、かな。


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