TOP世界遺産世界の紙幣世界のゲストハウス旅の持ち物食べ物いろいろ旅の場所ベスト10へなちょこコラム国紹介リンク


2006年6月18日作成


市場原理主義とタイ


意味ないけどボカシ入れてみました(笑)


北タイのど田舎に外資系大型スーパーができた。規模としては日本の大型スーパーよりは幾分小さいが、首都バンコクでもたくさんチェーン店を展開している大型スーパーの出店に、連日多くの人が買い物に訪れている。広い駐車場に冷房の効いた店内、きれいに配置された品物に溢れんばかりの質量。たくさんの人が訪れるのも無理はないだろう。しかし便利の裏側にはそれなりの理由がある。

今、残念ながら世の中の風潮は「金銭至上主義」と言っても過言ではなくなってきている。「人の心は金で買える」とか「勝ち組・負け組み」など、なんとも情けない言葉がそれを物語る。市場原理主義がまだ経済の範疇にあるうちはいい。経済に適切な競争は必要である。同じ土俵上(規制の上)で弱者が強者に対抗できる社会は歓迎したい。ただ現在、残念ながら次々とその規制が廃止され、強者はどんどん強く、そして弱者はどんどん弱くなってしまっている。お金持ちはどんどん金持ちに、そして貧乏人はどんどん貧乏に。
そして最も恐ろしいのは、それが人の心や価値観まで変えてしまう事である。

強い者はいつ来るか分からない「負け」に怯えつつひたすら走り続ける。そして弱い者は真っ暗で出口があるのかないのか分からないようなトンネルに絶望する。そして弱者も強者も取り残されないようどんどん安心(=金銭による安心)を求める。やがて歯止めがきかなくなり「これぐらいなら大丈夫」とか「法律に触れていない」とかいった風潮が世を満たす。

このような社会では道徳や社会的良心は置き去りになる。当然ながら、それに対する幾つもの弊害が出てくる。思い出してみた大きな出来事、例えば関西地区での列車脱線事故。たくさんの死傷者が出たが、原因は過密なスケジュールや効率優先主義。自動社界でも大手メーカーがリコールを出している。コストダウンを優先し過ぎた結果がこれで、それに伴った事故も発生している。耐震設計の偽造なんてとても分かり易い。そしてIT企業やファンドの不正取引。多くはご存知の通りだが、今の社会基盤が生んだ最も象徴的な出来事だったように思える。このような社会では、一般の人も成果主義に追われ、疲労・焦燥感を感じ、雇用も安定しない。出生率も下がる。誰がこの世の中に子供を育てたいと思うのか。

悲しいというか当然の事なのだろうが、こうしてそのツケは自分達に返ってくる。市場原理主義の先進国・アメリカ。貧富の差が拡大し治安も悪化しているあの国が未来の日本だと思うと悲しくなってくる。

面白い話がある。1549年来日したフランシスコザビエルは日本の社会を見て驚いたという。お金も財産もない貧しい武士が、金持ちの商人から尊敬されていたのだ。彼らはお金はないが、崇高な武士道精神やそれに伴った行動基準のもとに生きていたからだ。

これからの日本はどうすればいいのか。
特効薬はないと言う。一から教育を立て直す。情緒とか弱者への思いやりとか。たくさん本や古典を読み、「もののあはれ」を感じ取るのだ・・・と。 とてつもなく時間は掛かるが、それが一番だという。

週末、その大型スーパーに買い物に出かけた。
相変わらずのすごい人である。案の定レジの前にもすごい列が出来ている。レジ数は20近くあるが、稼動しているのはその半分程度。人件費削減か。かなり待たされている客もイライラしているが、それ以上に引きつった顔でレジを必死で打ち込んでいる店員の顔の方が印象的だった。こののんびりとした北タイの田舎町では見られない光景である。

こんな田舎にも少しずつ市場主義原理の影が訪れている。



【参考資料】
問題は市場原理主義 ライブドア事件を考える
目指せ!! 平成の女蜀山人!和魂洋才
縦並び社会第三部 格差の源流に迫る「消費者優先」の裏で
小泉「市場原理主義」政権への批判
市場経済 - Wikipedia



へなちょこコラムにもどる