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2007年5月3日~25日
From Bangkok
1.出発前夜はバンコク、そして歩いて峨眉山に登ろう
2.都江堰と、臥龍~パンダの里~
3.晴れない四姑娘山と成都の街
4.美しき九寨溝と水なき黄龍
5.世界遺産「大足」と、仏の里「安岳」
6.古き街「閬中(ロウチュウ)」と、再びパンダ基地




6.古き街「閬中(ロウチュウ)」と、再びパンダ基地

仏教徒ではないのだが、知らない間に仏像が好きになっていた。仏様の顔、それは決して有名な仏様でなくてもいいのだが、それを見ているととても穏やかな気持ちになる。なんとも言えぬ表情である。痛みも、苦しみも、悲しみも、そして幸せもすべて知っているような顔。仏様の前で手を合わせているだけで、身が清められる気がする。自然と優しい気持ちになれる。
そんな訳で、柄にも合わず損得を考えない善行を行いたいと思う事がしばしある。難しいのだが。特に旅行中などは「我々は外国人。この国にお邪魔させて貰っているのだ」と思って旅をしている。感謝と謙虚の気持ちを忘れないように。仏様の顔を見た後は特にそう思ってしまう。行うのは難しいのだが。

そんな素晴らしき仏様達を大足・安岳で満喫した後、今度は清代、明代の街並みを残す街、閬中(ロウチュウ)を目指しバスに乗る。成都から345km、嘉陵江の川沿いに目指すその街はある。
安岳からは南充を経由して行く。直通はないようだった。8時30分に安岳を出発したバスは、たくさんの中国人を乗せ南充に向けて順調に走る。外からの風が気持ちいい。やがて3時間後の11時半には無事南充に到着したのだが、途中トイレ休憩で1回目覚めただけで、それ以外ずっと眠り続けていた。気持ち良いバス移動であった。

早速、南充バスターミナルで閬中行きのバスを探す、が、ないとの事。どうやら城北バスターミナルという場所まで行かなければならないらしい。またか。。近くにあった地図を見ると、街の北側にある鉄道駅(火車站)の隣のようだ。それにしても、バスターミナルが幾つもあるような大きな街なのか、ここは。

仕方がないので鉄道駅を目指して、近くを走っていた3番のバスに乗る。このバスは南充の中心を走っているようで、街中の風景を眺める事ができた。なかなかのものだった。マクドナルドもあるし、ブランド品の入ったそれなりのデパートもある。まずまず大きな街のようだ。安岳とは違う。
鉄道駅近くにある城北バスターミナルへ。閬中行きは30分おきぐらいにあるようだったので、ゆっくりと昼食を済ませた後バスに乗る。体が疲れているのか、涼しさの為か乗車後、再び眠くなる。。

ところが走り出して1時間、突然バスが止まった。しばらくして異様な音を出していたエンジンも止まる。やがて完全に故障になったようで、乗客が我先にとバスを降り出した。やれやれ。そして後からやって来たバスに、またもや我先にと皆乗り出す。そして15時30分、2時間半掛けて何とか閬中に到着。新しいバスでもまた眠っていたようだった。。

中国中部を東西に貫く秦嶺山脈という山脈がある。この山脈より流れ出た嘉陵江の流れは、ここ閬中で大きく湾曲している。地理的には先に重慶があり、北は漢中、そして長安へと続いている。それ故古来より戦いの要所であり、三国時代も蜀の張飛が最後の7年間を過ごした場所でもある。また古い街並みが残っている場所でもあり、「雲南の麗江」、「山西の平遥」、「安徽の歙県」と並び中国四大古城と呼ばれている。

閬中はなかなか大きな街である。新市街と旧市街に分かれているのだが、何もないような田舎町を想像していただけに驚きだった。目覚めたばかりのまだ働かない頭を使って、現在地を確認する。バスターミナルの位置が分かり、周りにある宿にチェックイン。
ちなみに安岳でもそうだったが、現地の人にその街の観光について質問してもまったく適切な回答が返って来ない。ここの宿のお姉ちゃんも外国人に慣れていない為か、幾つか質問したがよく分からない事を言われて終わってしまった。


ロウ中の街並み 古城地区 張飛の像もある


仕方ないので地図を見ると南方に「閬中古城」との文字がある。どうやらここらのようだ。いざ街を歩き始めて見ると、「張飛」の文字が至る所に見られる。張飛牛肉に張飛通り、そして張飛の像。ちなみに張飛牛肉とは、張飛がここに来るずっと前、牛肉を売っていた事に由来する。


ロウ中の街並み(古城地区)
30分後、古城地区に入る。車の進入は禁止されているようで静かである。
確かに古い街並みである。今にも崩れそうな瓦や、くすんだ壁の色がその古さを物語っている。でも、人通りが激しい地区は、古い民家に不似合いな土産物屋や商店になっており、派手な看板、旗なども目立つ。完全に現代の中国の生活である。生活まで清明代を期待していたのはやはり間違いだろう。

しかしながら、閬中の古城地区は広く、大通りを少し外れると思ったより昔の雰囲気を味わう事ができる。もちろんここもで現代の中国の生活を営んでいるのだが、自動車の進入を禁止している事や、細い路地で野菜を並べている風景などは、これまでの中国のそれとは少し違う。静かな裏通りを歩いていると一瞬ちょっとした錯覚に陥る。心地よい錯覚だ。

そのまま華光楼へ。3階建てからなる古楼である。入場料を払い、古い木の階段を上り始める。すぐに四合院の建物が目に入って来た。悪くない。そして2階、3階と足を進めると、それが美しい瓦の群れとなった。なかなかの眺めである。すぐ隣を流れる嘉陵江、そして対岸にある山とのコントラストがいい。
最上階である3階に座り外を眺める。聞こえてくるのは鳥の声、船の音、そして中国人の生活をする音。鼻からは微かに香辛料の香りがし、開放された扉からは涼しい風が入ってくる。
静かなこの場所に座っていると、本当に清明時代にいるような気がしてきた。張飛もこうして静かな街並みを眺めていたのだろうか。

華光楼から1 華光楼から2 華光楼から3
華光楼から 古い民家 瓦の海


しばらくすると中国人の団体が上がってきたので、再び街の散策へ戻る。張飛廟周辺までやってきた。さすがにここまで来ると人通りが激しい。先ほどの華光楼とは共通の入場券となっているので、そのまま入場。中は大した事はない。三国志好きの自分が来ても面白いとは思えなかった。粗末な等身大の人形がたくさん置かれ、展示室もまったく手入れされていない。張飛ファン以外は期待しない方がいい。

川北貢院
ロウ中の通り 川北貢院
同じ共通券に付いている「民族会館」へ。ここはもっと酷い。他より少し大き目の古い民家に、昔の結婚式の様子が再現されている。といっても家具が置いてあるだけ。その程度。
最後に「川北貢院」へ。ここの方がまだましである。科挙の為の学校だったのだろうか。教室や書道の道具など、それらしき跡がたくさん残っている。静かな場所でいい。

再び街中へ。やはり閬中は街歩きが楽しい。目的を持たず、気の向くままに歩くのが楽しい。古い民家を眺めるのもいいし、座って何かしている中国人を見ているのもいい。この古い雰囲気に浸る事が、閬中での一番の贅沢だろう。
時々、古い家財道具を店先に並べている光景を目にする。恐らく商品なのだろう。清明代のものか。味があっていい。ちょっと欲しくなる。でも高いんだろうな。


成都に戻ってきた。幸い閬中からは直行バスが出ていたので便利だったが、着いたのがまたもや知らないバスターミナル。外に出てみると北門バスターミナルと言う聞いた事のない名前だった。苦労していつもの交通飯店まで戻ってくる。




それにしても交通飯店に帰ってくると、まるで自分の部屋に戻ってきたかの気分になる。それぐらい居心地が良いし、ゆっくりと休める。
さて、本当はこれから雲海撮影のリベンジの為に再び峨眉山に行こうかと思ったのだが、中国元が足らない。軽く計算しても400元位は掛かる。残り200元。しかも既に16時過ぎ。諦める事にした。

青銅大立人像 銅神樹
青銅大立人像(2号館) 銅神樹(1号館)
銅面具
銅面具(2号店)
と言うわけで、翌日は広漢にある三星堆博物館へ行く事にした。宿の隣のバスターミナルから直通のバスが出ていて便利だったからだ。
8時30分のバスに乗る。途中、照覚寺バスターミナルに寄り10時には到着した。入場料を払い中に入ってみると、結構綺麗に整備された公園のようであった。

三星堆遺跡とは、1986年四川省の考古学者が広漢にて青銅器をたくさん使ったこの遺跡を発見したことに始まる。当時の様子が書かれた文章がまったく見つからない為詳しい事は分かっていないが、3250年程前の遺跡とのこと。全て仮説なのだが、山東省にある古代文化が流れてきたとの説などがある。
何よりその特徴は驚くような異形であったこと。目の飛び出た仮面や、2m以上もある人の像、大きな青銅の樹など様々。仮説では色々な儀式や、他部族を支配する為の権力の誇示の為など様々あるが、はっきりとした事は分かっていない。

博物館は1号館と2号館に分かれている。1号館は三星堆の解説や青銅の樹の展示、2号館では青銅の仮面などを見ることができる。
1号館にある青銅の樹は、通常「神木」と呼ばれている。身の丈よりも高い青銅の樹。近くで見ると細かな細工が青銅である事を忘れさせてくれるようだ。
2号館の方がメインになるかもしれない。シンボルにもなっている目玉の飛び出た仮面や、2.6mもある大きな人物像など本当に変わった青銅器文化を見ることができる。時間があれば行ってみるのもいいかもしれない。

三星堆博物館はLINEトラベルjpでも詳しく紹介しています。



午後からは成都北にある成都パンダ基地(正式名:成都パンダ繁育研究基地)に行く事にした。時間があったのと、臥龍で見たパンダが意外に可愛かったからである。便利な事に交通飯店から観光用市内バス1本で行ける。
入場料は30元。夕方近くになっていたので、人はまばらだ。しかしここでもまた入口からパンダのいる場所まで随分と距離があり、電動バスが走っている。10元。このパンダ基地は山に作られていてパンダの為広大なのは分かるが、金がなかったので歩く。
残念ながら夕方になっていたので、あまりパンダの姿は見られなかった。人が集まっている所に、辛うじて4頭ほどパンダがいたのみ。それでもやはり可愛いものだ。またひたすら食べている。臥龍のような激しい動きはなかったが、それでも周りの人々はみな大喜びである。

並ぶパンダ 食べるパンダ 何様?


四川パンダ基地のパンダ


宿に戻って中国最後の食事に出かける。もちろん冷えたビールを注文。暑くなってきた成都の夜、ほろ酔いのビールが体にしみる。


お世話になった強烈値切り屋中国人カップル
お世話になった強烈値切り屋中国人カップル(松潘)
相変わらず中国人のマナーは悪く、反日の影響も強い中国だが、またやって来てしまった。本当はまだ行った事のない国に行こうと思っていたのだが、気が付くと中国に来ていた。中国の魅力はよく分からない。ただ、これだけ旅してもまだ行きたい場所は多くあるし、多くの歴史ある遺跡や大自然に惹かれてしまう。やはり魅力ある国なのだろうか。

やがて中国は今以上に変わって行くだろう。旅行だけとって見ても、留学時代は大理までの列車すら走っていなかったのだが、今はラサまで電車で行ける。移動で乗ったバスも以前の中国では想像もつかないほど良くなっている。これからも旅はぐっと楽になってゆくはずだ。
しかし、それに伴い治安の悪化や、社会的不安などの混乱も出てくる。正に中国は激流の時代。この国はこれからもっと多くの色々な不条理に直面してゆくことだろう。そんな時、この国の人達に大足や安岳で会ったような仏様の顔を、1人でも多くの人に見て貰えればと思う。何をしろとは言わない、見るだけでいい。そして、そこに少しでも優しい気持ちを感じてもらえればそれで十分だ。

今回の旅で何人かの若い中国人と出会った。日本人である自分に対しても自然に、そしてとても親切にしてもらった。一緒に食事などをした事もあったが、また違った意味でも彼らのような若い人達と、共に食事できる日を楽しみにしたい。


データ:
安岳→ロウ中のバス :南充までバスで行き(36.8元、8時35分発、所要約3時間)、そこからロウ中行きに乗り換える(36元、30分おきに多発、所要2~3時間)。南充からは城北バスターミナルを利用。列車駅(火車站)を背にして右手約200m。
ロウ中古城のチケット :古城区への入場は無料だが、中にある観光地は有料。張飛廟、華光楼、貢院、民族会館の4ヶ所の共通チケットで50元。他の場所を含めた別のチケットもある。
ロウ中→成都のバス :91.5元、8時発、所要約5時間
成都→三星堆博物館 :交通飯店隣の成都旅游バスセンターより直行バスがある(14元、8時30分発、所要約1.5時間)
三星堆博物館の入場料 :80元(学生や老人割引あり)
三星堆博物館→成都 :博物館前から市バス(6番バス、1.5元)で広漢バスターミナルへ。そこから成都へのバスは多発している(11元、所要40分)
成都パンダ基地へのバス :交通飯店前の観光用市内バス(赤色のバス)902番で終点下車。2元、所要約1時間。帰りはパンダ基地の入場口前に902番のバス停がある。最終時間は未定だが18時過ぎまであるよう。
成都(双流)空港までのバス :峨眠飯店の近くからエアポートバスが出ている。10元、所要約20分






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