5.ひさびさタイランド
エアアジア、随分と久しぶりの搭乗だが、相変わらずサービスは一切なし。まあそれはいいのだが、意外と中国人が多く機内がうるさい。ちなみに機材は新品で購入したのかとても新しい。機内販売もデザートとかがあって、初期の頃のカップラーメンだけみたいな状態からかなりの変貌を遂げていた。 愚息は離陸と共に爆睡。まだ小さいのにマレではよく歩いてくれて助かった。日記を書いていると、照明が落とされる。少しウトウトし始めた頃にアナウンスが流れ、タイに到着。 着いたのはドンムアン空港。昔、バンコクの旅行社勤めの際にはよく来ていた空港だ。あまり変わりないなあ。それにしても昔住んでいたとはいえ、これだけ久しぶりに来るとなんだか興奮する。時刻は午前1時過ぎだが、意外と人が多い。LCCのお陰でこの時間帯でも賑わっているのか。 simを買おうか迷ったが、とりあえず公衆電話で予約しているホテルに連絡。すぐに迎えが来てホテルへ向かう。 窓からの景色がなんとも懐かしい。「帰ってきたんだ」、という気持ちが沸いてくる。ホテルは「ドンムアンホテル」。深夜でも送迎サービスがあるので選んだ。とても遅いチェックインだったが、タイ語が通じることもありとてもフレンドリーに対応してくれた。 その後部屋へ。昔のアパートをリフォームしたって感じだ。3,000円程度なので値段相応。とりあえず一休みできればいい。深夜だが近くのコンビニへ。久しぶりのタイに嫁も興奮。
翌朝。ホテルに簡易朝食はついていたが、折角なのでホテル周辺を散歩することにした。 すぐに市場が見つかる。天気はあいにく小雨が降ったりやんだりだが、市場は屋根がついていて問題ない。早速クイッティアオ(米粉の麺)を見つけ注文。 「美味い。。。」 モルディブの食事が単調で辛かったので、このクイッティアオが本当に美味く感じる。愚息もがつがつ食べる。幸せのひと時である。 ちなみに市場では、今回楽しみにしてたドリアンがまだ辛うじて売られており、速攻購入。ホテルに持ち帰りすぐに食べる。 「うまい。。。」 食べごろのドリアン。嫁とももはや会話もなくドリアンを食べる。食べ物が美味しいだけでこれほど幸せを感じるものなのか、と思わされた。
チェックアウト後、ホテルにタクシーを呼んで貰い一番近いBTSの駅「モーチット」まで向かう。 その途中でタクシーの窓からBTSの延長工事をしているのが目に入る。ドンムアン空港のみならずその先まで永遠と工事を行っている様子。本当にどんどん長くなっていく。どこまで伸びるのかな。 BTSモーチット駅に到着。160B。次のホテルは11時にはチェックインできるので、このままBTSで最寄りのサパーンタクシン駅まで行く。どれだけ乗るか分からないが、一日乗り放題パスを購入(140B)。 サパーンタクシンからは専用のボートで船に向かう。モルディブでも散々乗ったボートにまた乗る(笑)。ペニンシュラやシェラトンなどの超一流のホテルのボートに混ざり、今日から宿泊する「チャトリウムリバーサイドバンコク」のボートもやってきた。 バンコクは住んだことも、旅行で宿泊したことも幾度もある所だが、チャオプラヤー川周辺に泊まるのは初めてだ。
ボートを降り、フロントでチェックインを行う。 簡単な説明を受けて部屋へ。リバービューの部屋にしたがやはりこれが大正解。29階のチャオプラヤー川が一望できる部屋であった。
いやいや、苦しゅうない苦しゅうない。 もはや殿になった気分である。チャオプラヤー川の景観も素晴らしいが、部屋の内装も抜群。部屋に入った第一声が「すごい」であったほどだ。
すっかりホテル大好きになった愚息も興奮気味。あちこちイジリまくる。そして何より嬉しいのが、バスタブ。旅に出てまだ湯に浸かっていなかったので、今夜はゆっくり休めそうだ。 しかも値段もそれほど高くない。日本の中級ホテルに泊まれるぐらいの価格。この値段でこのロケーション。さすが観光都市バンコク。朝食もついていて本当に満足だ。 部屋の片づけをして外へ。 まず向かったのが最近日本人中心に人気の出てきたお寺。バンコク新名所にもなりつつある「ワットパクナーム」だ。とにかく写真がきれいに撮れるとのことでインスタでも人気に。運良くホテルからも近く早速向かう。 BTSサパーンタクシン駅からタラートプルー駅まで移動し、そこで昼食。食事は屋台がなかったので、駅近くのショッピングセンター内のフードコートで済ませた。日曜と言うこともありすごい人で賑わっていたが、味はしょぼいものであった。イスラム系の料理「カオモッガイ(カレー味のピラフ)」とタイ料理の定番「ソムタム(青パパイヤのサラダ)」を頼んだが、やはり屋台で食べるべきかな。
食後、タクシーにてワットパクナームへ。15分ほど、45B。 予想していたよりもずっと大きなお寺であった。僧院や僧坊が一緒になっており、たくさんのタイ人がお祈りにやってきている。僧も多くおり、ちょっと観光地(本当はそうじゃないんだけど)とは違った雰囲気である。 日本人が多いのか、目指す仏塔への案内が日本語で貼られていた。確かに少し迷いやすい(実際迷った)。 案内通りに行くと真っ白い仏塔が現れる。この上に目指すワットパクナームのお目当てがある。
靴を脱いで仏塔に入る。 入り口の門からして立派。1階から4階までは仏教の展示物や会議場などになっている。ここもそれなりに見応えはあるのだが、ハイライトは5階。そこになんとも幻想的な空間が広がる。
予想では美しいというイメージを持っていたのだが、実際訪れるととても幻想的な空間であった。幻想的。そう、この一言に尽きる。たくさんの仏像の絵に囲まれ中央にはエメラルド色の仏塔があり、その上は青から緑に変化している。細かく描かれたその天井画はまるでひとつの宇宙を見ているようだ。美しい仏塔や柱が、ただの宇宙ではなく芸術の域に達している。間違いなくこのエリアだけ全く別の世界が広がっている。 そして、美しさの上に仏教の神聖な空気が流れ、静かで、不思議であり、やはり幻想的。ずっと眺めていても飽きないし、この不思議な空間に抱かれているのがなんだか心地良い。写真映えもする美しい場所なのだが、ここは是非訪れてこの空間を体験してほしい。
後ろ髪惹かれるように仏塔を後にする。ジュースを買ってまたタクシーでタラートプルー駅まで戻る。昼食事をしたショッピングセンターで少しお土産などの買い物をして、ホテルに戻る。 ホテルの部屋からは、ちょうど夕暮れ時になった美しいチャオプラヤー川の景色を眺めることができた。
ホントこれだけでもここに泊まった甲斐があったもんだ。テラスは風も良く吹いていて座っていてもとても気持ちがいい。疲れも出てきたので正直このままここでビール飲みながら眠ってもいい位である。 とは言え、ここに宿泊したのはもうひとつの理由がある。近くにあるアジアンティークというマーケットに行くためだ。ひと昔前にはマーケットと言えばチャトチャックのウィークエンドマーケットが有名だが、ここ数年は多くのマーケットができてきている。そのひとつがチャオプラヤー川沿いにあるアジアンティークと言うマーケット。大きな観覧車があり、部屋からも見える。フロントで聞いたが、歩いていける距離だそうだ。 と言うことで、夕食もかねてアジアンティークに向かうことにした。 少し小雨が降っているが歩くには問題ない程度。チャトリウムリバーサイドからアジアンティークに向かう道は一直線だが、この通りにはたくさんの店がでる。食べるには事困らない通りである。 ひとつの店に入り、カナームーグロープ(豚肉と青菜の炒め物)、ラートナー(米粉の麺のあんかけ)、ココナッツジュース、そしてビールを注文。これで200B(約600円)程度。美味いし、安い。これだからタイはやめられない。本当にご飯が美味しい。途中で買ったローティーにも舌鼓。疲れも相まってほろ酔いでまた歩き出す。
アジアンティークまでは結構距離があったように思う。子供にはあまり向かないかな。 少し雨も降ってきた。幸いアジアンティーク内には屋根のある場所もあるので、傘をさしたりしながら歩く。しかしすごい人。日曜だからか、少し雨が降っているのにお構いなしに人で溢れている。 ただ正直あまり買い物には興味がわかない。歩いていてもイマイチ楽しくない。品物も種類も多いので見応えはあるのだろうが、もともと買い物には興味がないのでこんなもんだろう。
ただこのアジアンティークの中でも、少しだけ興味があるものがあった。マンゴー系のデザートである。 タンゴーマンゴーと言うマンゴー専門店がここに店を出しており、ちょっと行ってみたかった。行列を覚悟していたが、意外にも空いていて注文後、店舗前のテーブルにすんなり座れた。 出されたマンゴープレートを見て一同歓喜の声を上げる。
当然だが、まずい訳がない。新鮮なマンゴーに、マンゴー系のアイスやプリンなどとにかく美味しい。見た目も奇麗でこれは受けるわけだ。愚息がガツガツ食べる。これで180B。決して安いデザートでもないが十分満足のいくものであった。
その後歩いてホテルに戻り、久しぶりの湯船につかって就寝。今日も疲れた。 翌朝は6時に起床。朝食はさすがにバンコクのホテル。種類や量、味に至るまで大満足。 今日の予定は列車でアユタヤへ行き、愚息を象に乗せること。バンコクでは象乗りは禁止されているので他県まで行かなくてはならない。久しぶりにバックパッカー気分に浸れる列車にも乗車し行くことにした。7時半にタクシーに乗りファランポーン駅へ。
随分と久しぶり。ここに来ると旅情が沸く。時刻は8時。チケット売り場に行くと8時20分の列車があるそうだ。すぐに購入。ひとり20B。安い。すぐに列車に乗る。 お世辞にもきれいとは言えない車両。無骨な機械の軋む音が聞こえてきそうな古い車両。でもこれがいい。すでに多くの人が座っていたが何とか席を確保。やがて列車が動き出す。
開かれた窓から生暖かい風が吹き込んでくる。列車はゆっくりゆっくりと前に進む。風に吹かれながら走ったり止まったりする。窓の外にはバンコク郊外で暮らす人々の生活が流れる。いいねえ。これが大好き。すべてが分刻みで正確に動き、窓すら開けることができなくなってしまった日本の電車。やっぱり自分にはこちらがいい。 乗客は意外にも白人も多い。アユタヤに行くのだろうか。ただ皆スマホをいじっている景色は異常に思う。列車はゆっくりと走る。 車窓の景色や列車を楽しんでいると、あっという間に9時40分になった。アユタヤ到着である。意外にもアユタヤは晴れていた。
アユタヤ駅からは少し歩いて渡し船で川を渡り、その先にいたソンテウでまずは象乗り場に向かう。初めてのソンテウに愚息は戸惑い気味。そりゃそうだろう、車にはチャイルドシートが必要な日本とこのソンテウは大違いだ。でも楽しそう。 すぐに象乗り場に到着。日本人ツアー客も良く訪れる場所だ。
料金を払い象乗りへ。 嫁と愚息が乗る。自分は写真撮影。象は意外と歩くのが早い。小走りじゃないと追いつけない。汗だくになりながら愚息の初象の写真を撮る。 象乗り終了後は、50Bで小象にエサやりなどを行う。満足してくれたかな。
象乗り終了後は、折角アユタヤまで来たので遺跡をひとつ見て帰ることにした。 選んだのは「ワット・チャイワッタナーラム」。アユタヤ遺跡群の南西にある寺院だ。1630年に当時の王が母のために建てた寺院。アンコールワット同様、クメール式の美しい造りで中々見応えのあるとのこと。アユタヤは何度も訪れているが、実はここだけはまだ未訪問。 エレファントキャンプからソンテウに乗り早速向かう。
とても美しいと思う。 やはりこの時代のクメール文化寺院はとても好きだ。アンコールワットはもちろんだが、とてもバランスがよく美しい。こんなに美しいのに意外にもあまりツアーでは訪れないのが残念だ。愚息と嫁は寺院には興味がないとのことで、駐車場近くの出店をふらふらするとのこと。入場料を払い遺跡の中へ。
現在も修復作業が行われているのだが、近くで見るとやはり損傷が激しい。風雨にさらされまともな保護もなかった時期もあり仕方がないが、未来に向けてしっかりとこのような遺産を残していって欲しい。 ちなみに少し前にタイでアユタヤ時代を題材にしたドラマが流行ったそうで、アユタヤの衣装を着て写真を撮るタイ人カップルがたくさんいた。貸衣装店も遺跡前にいっぱい営業していた。 再びソンテウに乗りアユタヤ駅へ。そろそろバンコクへ戻る。 駅でバンコク行きの列車を尋ねると12時15分発があるそうだ。とりあえずチケットを購入し、時間がまだあるので駅前の屋台で食事をとることにした。 注文したのはカオカームー(豚の足の甘煮)と、ソムタムにカオニャオ(もち米)。昨日のフードコートで食べたソムタムが不味かったので再チャレンジ。結果は大正解。ソムタムとても美味しかった。これにはソムタム好きの嫁もご満悦。
12時15分、再び列車に乗りバンコクまでの短い旅を楽しむ。 アユタヤは思った以上に晴れてくれて、とても短かったがいい滞在ができた。愚息の象乗りもできたし、美しい寺院も見れ、そして美味しいソムタムにもありつけた。充実したアユタヤ訪問であった。 列車の車窓にはのどかな田舎の風景が流れる。窓からは生暖かい風。各駅停車で止まる度に物売りのおばちゃんが車内を歩く。寝ると思っていた愚息も外を見たり車内を歩いたり暴れたりと、彼なりに列車を楽しんでいるようだ。列車旅、やはりいい。
バンコクに近づくにつれ天気が悪くなる。今回バンコクはいつも曇りだ。 ファランポーン駅に到着後、MRTで近くのショッピングセンターなどを歩く。買い物はほぼ終わっているので、特に買うものもなし。つまらないのでホテルに戻ることにした。 サパーンタクシン駅からいつも通りにホテルの船に乗ろうと思ったが、ここで今回最強のスコールに遭遇。ホテルの船も出せないほどの大雨。1時間ぐらい足止め。これも旅かな。
ホテルに戻った後、余力があればまたアジアンティークに行こうとも思ったが天候も悪いし疲れたので休憩に。夕方になりまだ貰っていなかったウェルカムドリンクをロビーで頂く。夕食はホテル出てすぐの屋台へ。外国人料金なのか、えらく高かった。 夕食後はホテルに戻り、この旅最後の夜を過ごす。
旅行最終日。 早めに朝食を済ませチェックアウト。10時45分のフライトなので8時半前にホテル出発しようとしたら、フロントでタクシーを使った方が速いと言われた。個人的にはまだ乗ったことのないエアポートラインに乗車してみたかったのでそちらを選択。ホテルボートでサパーンタクシン駅まで行き、BTSでパヤタイ駅へ。そこからエアポートリンクに乗る。 初めて乗ってまだ新しいという感じでいたのだが、結構車両はくたびれ感がでている。開通してもうそんなに時間が経ったのか。 順調に空港へ。約1週間前に降り立った場所だ。 時間まで買い物をしたりして過ごす。可愛いトゥクトゥクのカバンがあったが、2,100B(約6,500円)もしたので断念。嫁は欲しそうだった。最近このようなタイをモチーフにしたお土産が多いのかな。結構センスのいい土産物が増えてきている。 帰りもタイ航空。昼便なのでゆっくり食事したり映画を見たりして過ごした。愚息はずっと英語のアニメを見続けていた。
6年ぶりの海外旅行はとても満喫できた。 モルディブーの海の美しさは相変わらずで世界最高レベルだと思っている。目が痛くなるほどに輝くモルディブの海は一生に一度は見ておきたいものであろう。 マーフシ島はモルディブではあるが、「モルディブの奇跡レベルの海」を期待するとちょっと残念に思うかもしれない。マーフシ島から行くリゾートやサンドバンクを訪れるべきだろう。マーフシ島は一応ローカル島ではあるが、すでに多くのツーリストが闊歩するツーリスト島である。リゾート滞在と比較すればモルディブの美しい海には安く行ける。ひとつの選択肢にはなりうるかな。 マレはもはや歩くに値しないほどの場所。狭いので観光地などがないのは仕方がないとして、暑いし、勧誘は鬱陶しいし、狭いし、危ないし、空気は悪い。もはやほかのアジアと変わらない。お勧めはしない。 タイはやはり安定した観光国であった。物価や食事、観光場所など困ることはない。ここで書く必要もないほどだ。 これまでひとりで旅することがほとんどだったが、家族、特に幼い子と海外を旅をするとまた違った発見があって楽しい。子供への発見や、周りの人々反応など。子供が小さいうちにしか行けないと思うので、しっかりこれからも楽しみたいと思う。
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