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2017年5月28日
From Nagoya
豊橋〜渥美鉄道〜


のどかな渥美鉄道
のどかな渥美鉄道


電車大好きの息子のためにここ最近は電車の旅に結構出かけているのだが、と〜ても大好きでまだ乗っていない電車についに乗ることとした。
それはずばり「新幹線」。もう子供たち大好きの乗り物である。愚息もそれに漏れず新幹線の玩具やテレビなどを食い入るように見ている。愚息もそろそろ色々なことが理解できる年齢になったので、ここで一度新幹線に乗せてみることにした。





電車好きなのは自分もそうで愚息と一緒に電車旅を楽しんでいるのだが、自分が好きなのは鈍行。残念ながら新幹線はあまり好きではない。移動のスピードが上がるほどそれに比例して旅情は下がる。各駅停車でゆっくりと走り、車窓からの景色を眺めながら弁当を食べるのが最高である。新幹線は便利だが、旅では極力使いたくない。とはいえ今回は「新幹線に乗る」ことが一番の目的なので、久々の新幹線の乗車を行う。実に9年ぶりの新幹線だ。

目的地は豊橋にした。
別に行きたかった訳ではないが、名古屋からの往復が土日に限り2,320円とリーズナブルに利用できる。当日限り有効なので宿泊はできないが、日帰りで行って来れる。また豊橋には市内には愛知県下唯一の路面電車が、そして渥美線というローカル線も走っている。現地で時間は十分に潰せるだろう。という訳で梅雨に入る前の5月の天気のいい日曜日に出かけることにした。


名古屋市内まで車で行き車を駐車場に止めて、JR窓口にて豊橋までの新幹線乗車券を2名分購入。愚息はまだ無料。そのまま名古屋駅まで向かう。名古屋駅の新幹線乗り場は休日なのだが意外と空いていた。仕事客がほとんどいないので当たり前か。
移動だけならすぐにでも乗車するのだが、この至近距離で新幹線を見たことがない愚息のためにしばらく見学&写真撮影。特にはしゃいだり喜びを表現しない愚息に戸惑いつつ、30分ほどで新幹線「こだま」に乗る。もともと「のぞみ」には乗れないのだが、少しでも長く乗車していたいので「こだま」がベストだ。


名古屋市内の駐車場 人は少ない 久し振りの新幹線


出発時刻になると新幹線はゆっくりと静かに動き出す。随分と久しぶりの新幹線、日曜とあって車内はガラガラ。なるほど土日が料金が安く設定されていたのも理解できる。それほど乗車率が低い。お陰でゆっくりと座ることもできた訳だが。当然だが車窓の景色はめまぐるしく変わる。あっという間に名古屋を抜けのどかな風景なども広がる。最初こそ興奮していた愚息だが、やがて興味の対象は折り畳みテーブルに移動し、その後は持ってきたお菓子をひたすら食べていた。一応新幹線に乗ったことは理解しているようで、尋ねると「速い、大きい」と答えていた。

10分ほどで次の駅である「三河安城」に到着。しかし速いもんだ。仕事でここらにはよく来るが、渋滞などがあると1時間は掛かる。10分足らずとは恐れ入る。そしてさらに15分ほどで豊橋に到着。いやいや速い速い。やはり新幹線では「旅情」を感じている余裕はなさそうだ。


豊橋で新幹線にから降りる。正味30分足らずの新幹線に愚息も「もう終わったの?」という顔をしている。新幹線を見送るという愚息の為に誰もいないホームで出発を待つ。走り出した新幹線に手を振る愚息に対して、最終車両で敬礼をしながら上半身を窓から乗り出していた女性の車掌さん(?)が敬礼をしながらも軽く手を愚息に振ってくれた。愚息、気づいたか?


ガラガラの車内 ガラガラの豊橋駅 意外と線路が多い


さて、豊橋駅。豊橋は何度か車で通過している場所だが、駅へ来たのは初めてだ。意外と大きな建物で驚く。すぐにここから乗ることができる渥美線の乗車場を探す。駅構内からも簡単に行くことができた。

渥美線は豊橋鉄道が運営する豊橋から渥美半島に伸びるローカル線で、終点は渥美半島の中間ぐらいにある「三河田原」。その先はバスで渥美半島の先端まで、そしてそこからはフェリーで伊勢方面にも行くことができる。電車なら嬉しいのだが、それは仕方ない。

そして愛知県民なら知っているが、渥美半島は県内でも温暖な地で年中花が咲いている。渥美鉄道も、その花と鉄道を掛け合わせて「カラフルトレイン」として売り出している。年中咲く色々な花を車両にプリントし渥美半島の花を感じてもらうためだ。これがなかなか可愛い。無機質でぶっきらぼうの車両もいいが、こういうアレンジも悪くない。何より社員の方の努力が感じられる。


渥美鉄道「菜の花」 綺麗なイラストもある 車内も菜の花の黄色で統一


ちなみにカラフルトレインは全12種あるが、どの車両が来るかは分からない。全車両制覇も面白い。以下今回見つけたカラフルトレインの写真。


菜の花 椿 菖蒲

しでこぶし

はまぼう ばら


渥美鉄道では一日乗車券も販売しているので早速購入。チケットも手が込んでいて面白い。ローカル線のこういう演出は大好きだ。
さて、渥美線。正直これと言って観光名所はない。豊橋鉄道のサイトに一応観光マップが公開されているが、残念ながらそれほど興味を引く場所もない。まあそれでも何か所か途中下車して歩いてみた。


意外と大きい豊橋駅 渥美線乗り場 綺麗な一日乗車券


まず降りたのは乗車後すぐの「小池駅」。もちろん無人駅。誰も下車する人はいない場所だ。降りてすぐに歩き出す。向かったのは近くの寺院。仁王像の山門があるとのこと。早速歩き出す。天気の良いカラっとした晴天で歩いていても気持ちがいい。が、すぐに愚息がぐずりだす。「負んぶしろ」、と。結局負んぶとビービー泣きながら交互で歩かせて到着。「潮音寺」と表記があったのだが、なぜか幼稚園と一体化していた。門はまずまず立派。


小池駅 途中でパシャリ 潮音寺の門


門の仁王様を見学した後、実は愛知大学公館へ向かった。これは戦前豊橋に陸軍の師団が置かれ、その師団の長官舎とした利用された建物だ。見学可能とあって歩いて行ってみたが、全然見つからず結局引き返してきた。近くまで行ったのだがよく分からない。ちょっと情報が少なすぎる。


さて、時刻を確認すると午前11時。朝は結構早く出てきたのでそろそろおなかも空いてきた。お昼は豊橋名物の「豊橋カレーうどん」を食べようと思っていたので、いったん豊橋駅まで戻って食事することにした。

再び小池駅から電車に乗る。豊橋まですぐ到着。向かったのは駅近くの「玉川うどん」。駅周辺でカレーうどんが食べられる場所だ。
店内は意外と狭い。カウンターとテーブルが数脚のみ。まだ11時ちょっと過ぎだったので個室のテーブルへ通された。早速豊橋カレーうどんを注文。嫁は海鮮丼セット。しばらくして運ばれてきた。



豊橋カレーうどん
豊橋カレーうどん


「豊橋カレーうどん」とは文字通り豊橋の活性化のために2010年から始められたご当地グルメであり、現在は豊橋市の多くの場所で食べることができる。特徴はカレーうどんの下に「とろろ」とご飯が敷き詰められており、カレーうどんで残り気味になるルウをご飯と一緒に最後まで食べられる合理的な品だ。豊橋のうずらを入れるとか漬物を添えるとか幾つかルールはあるが、どの店も個性的で美味しいと評判だ。

実際食べてみるとカレールウにはしっかりと出汁の味が感じられて美味しい。「うどん」と「ご飯」というW炭水化物でおっさんには腹にきそうと思ったが、美味しくもあり、「ととろ」とルウによって雑炊風になるご飯も結構いける。食べ終わるとちょうどいい満腹感を得られる。この辺りはしっかりと考慮されていると感じた。なかなか美味しかった。


玉川うどん 海鮮丼 この通りはバンコクみたい


さておなかも膨れたので再び渥美線に乗車。今度は豊橋から一気に終点の「三河田原」まで行くことにした。
愚息は「負んぶ。」と言って自分でほとんど歩かないくせに、電車に乗るとなぜか座ろうとせずにずっと立っている。自動ドアを見ているのか知らないが幼児とは理解し難いものである。

電車はゆっくりと走り、のどかな風景などが車窓に流れる。生活路線としての役割も大きいようで、日曜でも部活帰りと思われる中高生が乗り込んでくる。30分ほどの短いローカル電車の旅である。
終点の三河田原駅は安藤忠雄の設計による2013年新築の真新しい駅だ。なかなかモダンな作りである。


再び菖蒲号で行く のどかな風家 モダンな三河田原駅


さていきなり終点の三河田原駅まで来たのには理由がある。
渥美線には「ほとんど観光名所がない」と失礼なことを書いてきたが、実は密かに行ってみたい場所がひとつだけあった。それはここ三河田原駅から徒歩数分にある城宝寺。東海七福寺のひとつとして古墳などもあるお寺だが、最も有名なのが本堂奥にある天井絵。日本有数の画家によって描かれた天井画である。






早速愚息を負んぶして寺にたどり着く。驚くほど駅から近い。見てみたいとはいえやはりまだマイナーな場所。参拝客など誰もいない。恐る恐る本堂の戸を開けると誰もいない。静寂な空気が流れる空間へ足を入れる。「すみません」と声をかけると奥から寺の人らしき方が出てきた。天井絵のことを聞くと入って左側の奥にあるとのこと。早速進む。


その先には期待していた通りの美しい絵があった。


城宝寺「天井絵」
城宝寺「天井絵」


いろんな種類の花の絵が描かれている。色彩や花も色々で首が疲れるがとても美しい。誰もいな静寂がつつむお寺のお堂の中でここの天井だけがしっとりと輝いているようだ。素晴らしい。これを見れただけでも豊橋に来た甲斐があったもんだ。スケールは違うが愛知の永平寺であろう。
なお閲覧は自由だがここにお賽銭箱が置かれているので気持ち程度は入れておこう。


さて時刻も午後1時を過ぎ、そろそろ愚息も嫁も疲れてきたので、最後の目的地へ向かう。
再び渥美線に乗り、途中下車した駅は「植田駅」。目的はふたつ。ひとつは渥美線の電車の撮影。そしてもうひとつは古墳があるという神社。
駅に降りると、、、いや〜、ど田舎だ。本当に何もない。数軒の家と田畑が広がる場所。まさにぶらり途中下車の旅である。


美しい城宝寺の門 折り返しははまぼう号で のどかな植田駅


ぐずる愚息を負ぶって歩き出す。嫁が「これからどこへ行くの?」と尋ねるので、「ビューポイント」と答える。田んぼの中へと進みだす自分に嫁が不可解そうな顔をする。線路の近くで立ち止まる。「電車のビューポイント」というと、事態を理解した嫁が笑う。田んぼ道で撮った渥美鉄道。


渥美鉄道

可もなく不可もなく。
鉄道写真というのは簡単そうで、かなり難しい。被写体も動くし、ロケーション選びで劇的に良くも悪くもなるし、光の当たり方だけで印象も変わる。電車だけでは単調になるので他の被写体も欲しい。電車の角度はレールによって決められるので、納得のいく場所まで移動する必要がある。いやいや奥深い。撮り鉄と呼ばれる人が夢中になって線路内に入ってしまうのも理解できる。いけない事だけどね。

撮影が終わるとこのまま2kmほど離れた車神社古墳へ向かう。勾玉や鈴などの出土品がある豊橋でも有数の古墳ということで、直射日光が照りつける中愚息を負ぶってたどり着いたが、どうもいまいちであった。神社自体も特筆すべきことはないし、古墳も何だかいまいちよくわからない。ちょこっと期待していたのが、、まあこんなもんか。


電車を眺める愚息 車神社 車神社古墳



さてさすがに疲れたので豊橋に戻ることにした。
時刻は15時過ぎ。さすがに愚息ももう疲れて帰りたいだろうと思ったが、一応「路面電車があるけど乗る?」と聞いてみたら元気に行きたいというので近場だけ行ってみることにした。

豊橋駅から簡単に路面電車の乗り場は分かった。初乗り150円で、同一料金のようだ。市役所前までのほんのわずかな距離だが、路面電車に乗れるとあって愚息は嬉しそうだ。路面電車もやはり市民の大切な足になっているようだ。老若男女問わず乗り込んでくる。


路面電車へ乗り込む 車内 市役所前駅


あっという間に市役所前駅で下車。先にある豊橋公園に向かう。途中ハリストス正教会聖堂を見学。明治大正期の木造正教会聖堂として価値のある物のようだ。よく分からんがフォルムは美しい。

隣接する豊橋公園へ向かう。地図を見るとこの中に吉田城というお城があるそうだ。夕方の涼しい風が吹く公園をぶらりと歩く。市民の人々が散歩やボール遊びなどをしている。まさに憩いの場所である。
吉田城はそんな豊橋公園の奥にあった。ちゃんと城壁も残されているお城だ。天守閣はあまり大きくないが、これはこれで可愛くていい。豊川沿いに建つ豊橋のお城。時間が遅くて天守閣へは入れなかったが、まあいいだろう。


ハリストス正教会 城壁もある 豊川の景色がいい

吉田城 歴史ある豊橋市公会堂 帰りはちょっとモダンな路面電車で


新幹線で訪れた豊橋市。何度も通過したことはあるがちゃんと観光したことはなかったので良い経験となった。新幹線にローカル線、路面電車も楽しめる豊橋は電車好きには楽しい場所である。個人的には城宝寺の天井画に大満足。そして電車三昧で愚息も大満足(?)の日帰り電車の旅であった。





データ:
新幹線往復(名古屋⇔豊橋/休日利用) ・・・ 2,320円/人
渥美鉄道一日乗車券(豊橋鉄道サイト ・・・ 1,100円/人
路面電車 ・・・ 150円/人
玉川うどん(サイト) ・・・ 豊橋カレーうどん(920円)、海鮮丼(15,80円)





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