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1995年7月27日〜9月10日
From Xi'an(西安)
シルクロードの旅













まえがき:
大学の中国1年留学のため、中国(西安)で中国語の勉強中。その為、旅の起点は西安となる。


1.シルクロードの旅 〜西安、張液、嘉峪関〜
2.シルクロードの旅 〜敦煌、ハミ、トルファン〜
3.シルクロードの旅 〜ウルムチ、イーニン、カシュガル〜
4.シルクロードの旅 〜タシュクルガン、パキスタン(フンザ)〜





敦煌

敦煌まではバスを利用した。
生憎敦煌までは列車が引かれていないし、バスの方が席が確保されているので移動は楽かもしれない。何より本数が多いのでチケットが取りやすい。これが一番だろう。
シルクロードに入ってから、街の郊外は皆同じような風景だ。基本は荒野。時々木々がある程度。でも街が近付くと明らかに家が増えてきて、そしてその街の名前が壁などに書かれている。今日で言えば敦煌。約8時間。随分と長い時間乗っていたが、ようやく街に着いたようだ。もう夕方前だ。



このバスで敦煌まで移動 敦煌の街並み だんだんシルクロードっぽくなる
このバスで敦煌まで移動 敦煌の街並み だんだんシルクロードっぽくなる


敦煌を有名にしているものと言えば、やはり莫高窟だろう。
市から南東25kmの所にある鳴沙山の東壁に、1600mにも渡って彫られた石窟群。石像や壁画などで構成される、巨大な仏教遺跡である。五胡十六時代(約360年)頃から彫り始められ、おおよそ1000年間掛かって作り上げられた。まさに中国を代表する観光地である。


敦煌に到着し、民族賓館にチェックインし今日は休息する。やはり長時間の移動は辛い。暑さといい、体力を消耗する。夜に食事がてら付近を散歩し、早めに就寝。
翌日はその莫高窟に行くことにした。
莫高窟は少し距離があるので、市内を廻っていたお手軽ツアーバスに乗ることにした。西安同様、バス代のみで入場料は自分で払う仕組みだ。午前は莫高窟、お昼の休憩を挟み午後から古城、白馬塔、そして夕方に鳴沙山に行く。

莫高窟に到着。
既に結構な人で賑わっている。入り口で入場料を購入しようとして驚いた。58元(約812円)。これまでとは別格の値段の高さだ。ここが第一級の観光地であることを現している。
しかしカメラは入り口で没収。外見や外の風景は撮ることはできるが、石窟などは不可。壁画は分かるとして石窟までダメとは。。
石窟自体は実に見事なものだ。細かな装飾から大きな仏様まで様々。薄暗いが壁画も優雅である。幾つもの石室に分かれており、色々見て回るのが楽しい。
・・・が、別料金になっていて入場できない場所も結構ある。またその案内もよく分からない。
暑い中ガイドブックを片手に一生懸命歩いたが、石窟自体は素晴らしいものの不満が残る場所となった。


いよいよ到着! 莫高窟 幾つもの石窟がある 凄いたくさんの人
いよいよ到着! 莫高窟 幾つもの石窟がある 凄いたくさんの人


莫高窟見学するとバスは一旦市内に戻り解散する。昼食を食べて再び集合して午後の観光に向う。
食事をして一旦部屋に戻り休憩を取ってから再び観光へと向った。
午後の最初は白馬塔。唐の高僧、鳩摩羅什(くらまじゅう)の馬が死んでしまい、それを祭って建てられた塔。馬なのに塔を建ててもらい、さらに後世に観光地となるとは鳩摩羅什という僧は、相当すごかったのだと思う。塔自体はごく普通の塔。興味がなければ「ふ〜ん」で終わってしまうものである。

白馬塔を見学した後にバスは敦煌古城へ向った。
ここは映画「敦煌」の為に1987年に作られた敦煌城のセットである。映画のセットが観光地?と思ったが、行ってちょっと吃驚した。とても広い荒野の真ん中にいきなり大きな城塞が現れる。日干し煉瓦などで街並みを再現して造ったそうだが、よくまあこれだけの物を作ったと感心させられる。
ここも数十年もすれば立派な遺跡になるのだろうか(?)。


莫高窟を遠くから眺める 白馬塔 映画セット「敦煌古城」
莫高窟を遠くから眺める 白馬塔 映画セット「敦煌古城」



夕方が近づいてきた頃、鳴沙山へ到着した。
これまで通ってきたシルクロードのほとんどの場所は「ゴビ灘」と呼ばれる荒野で、いわゆる砂漠ではない。しかしここには日本人がイメージする砂漠の図があり、中国人も含め観光地となっている。街中からでもよく見える砂漠がここにある。

入場料を払い入口から中に入ると、そこには極めの細かい砂に溢れたまさに「砂漠」が目の前に広がった。少し歩いて見るがずぼずぼと足がとられる。周りの観光客も足を気にしながら歩いている。


鳴沙山
鳴沙山


中々絵になる図だ。砂漠化自体は良くないが、こうしてみる砂漠は悪くはない。砂漠の持つ、自然の持つ曲線美が見る者の心に響くようだ。
そして砂漠にお決まりのラクダ乗りがたくさん集まってきた。近くにある三日月形をした泉「月牙泉」と「鳴沙山」まで乗せて行ってくれるそうだ。
しかしここのラクダ乗り、かなりぼったくりだ。
ガイドブックには往復で15元ほどで行けると書いてあるが、その数倍は平気で吹っかけてくる。中々交渉がまとまらなかったが、10元で往復、しかも2人乗りで押し切った。ふふふ。ラクダ乗りには悪いが、こちらはそれなりに旅を続けている。中国語での交渉は慣れてきている。

ラクダでゆっくり歩き、やがて三日月形をした月牙泉が見えてきた。既に夕方になり日は落ちかかっているが、中々風情もある。ちょっとした建物もあり結構な人で賑わっている。
そして鳴沙山に登る。結構登り辛かったが山頂からの景色も中々。敦煌の街までよく見える。広大な荒野。そして少しの緑。まさにここは砂漠のオアシスのようだ。


ラクダがたくさん 月牙泉 荒野が広がる
ラクダがたくさん 月牙泉 荒野が広がる


そして山から下りてきて「やられた」と思った。
ラクダがいない。ラクダ乗りも。逃げられたようだ。往復で交渉していたのに、、仕方がない。帰りは徒歩で歩いて入口まで戻った。
先払いをしたのが間違いだった。やはり中国。まだまだ侮れない。
ツアーは真っ暗になった市内を走り、乗車したホテルの前に止まった。一日がかりの観光であったが効率よく廻る事ができた。コーヒーショップでお茶とご飯を食べ、就寝。明日はトルファンを目指す。


翌朝早起きをして敦煌バスターミナルに行く。次のトルファン行きのバスを探すが、既に「満席」との事だった。なんとバスですら満席。混む時期なんだろう。しかし色々聞いていると、敦煌とトルファンの中間にある「ハミ(哈密)」という街行きのバスの席はあるという。これも何かの運、ハミ行きのバスチケットを購入。すぐさま乗車する。
ハミ。バスの中でガイドブックを読んで見るが、特に何も観光する場所はない。まあ、パキスタン以外の目的は特にないので、ゆっくり旅すればいいのでこういうのもいいかも。とりあえず「ハミでハミウリを食べる」。これぐらいにするか。


ハミ

数時間後、バスは無事ハミバスターミナルに到着した。今日もいい天気。暑さは相変わらずだが、寒いよりはいい。
ハミは小さな街で観光地もそれ程ない。でもここらまで来るとかなりウイグル族、ウイグル文化の影響が強くなってくる。街にはポプラの木やポプラ並木がたくさん現れ、街歩く人もウイグル帽をかぶり髭を生やした人を多く見かける。明らかにこれまでの漢族の街とは違ってきている。


敦煌〜ハミのバスから ポプラ並木 美味しいハミウリ
敦煌〜ハミのバスから ポプラ並木 美味しいハミウリ


レンタルサイクルを借り、街を走る。
まず訪れたのはハミ王の墓。17世紀、明の時代の末から200年以上ハミ王族は9代に渡りこの地を統治した。この墓は王の死後20年をかけて作られたものだ。
随分イスラムらしい雰囲気になってきた。このような墓は写真などで見たことはあるが、実物は初めてだ。近づくとだんだん大きくなってくる。近くで見ると意外に大きい。
ハミ王の墓の後は、同じく市内にあるケイス墓に向う。7世紀にアラブからイスラム教を広めにやってきた異国人の墓だそうだ。墓ばかりだな。中々整然とした建物で、静かに木々の中に建っている。


ハミ王の墓 ケイス墓 郊外の風景
ハミ王の墓 ケイス墓 郊外の風景


その後、ハミの市場でハミウリを購入。目的だった「ハミでハミウリを食う」が達成できた。
ハミにはゆっくり2泊して、当初の目的地であったトルファンへのバスに乗る。


トルファン

トルファンは天山山脈の麓にあるシルクロードを代表するオアシスである。天山山脈から流れ出る雪解け水で潤う街だ。
早朝にハミを出たバスは昼過ぎにトルファンに着いた。
暑い。。最近どんどん暑くなってきている気がする。そしてここトルファンは暑さに比例するようにウイグルの色が強くなってきている。
宿屋にチェックインし、街を散策。
シルクロードの景色であるポプラ並木はもちろん、街中にブドウ棚のアーケードがあって日陰で休憩できたり、道端には水路が流れていたり、中国なのに異国情緒があって歩いていても楽しい。


ポプラ並木が続く 街中にあるブドウ棚 バザール
ポプラ並木が続く 街中にあるブドウ棚 バザール


その後、市内にある公蘇塔を眺め自転車で走る。

今夜はトルファン賓館で行われるウイグル族の舞踏ショーを見ようと思い、早速予約に向った。
予約は問題なく取れほっとしていると、とあるウイグル族の青年に声を掛けられた。振り返ると若い(自分と同じぐらいかちょっと上だろうか)ウイグルの青年が立っている。カタコトの中国語で話をしていると、なんとここウイグル舞踏のダンサーだという。話し合ううちにすっかり打ち溶け合い、彼らの楽屋(?)らしきところに招かれお茶を飲みながら話をした。
思いも寄らない話を聞かされた。彼曰く、「ウイグル族は色々な弾圧を受けている。何とか日本は我々を助けてはくれないか」、というものであった。観光気分でやってきた日本の若造には重過ぎる言葉であった。そんなことが実際目の前で繰り広げられているとは、微塵にも感じない。実際西安にいる中国の先生や友達は皆良い人ばかりだ。だけどここにもうひとつの現実がある。
曖昧な返事をしてその場を誤魔化した。彼にしてみれば中国語とは言え、日本人に話を聞いて貰えただけで嬉しかったようだ。彼の中国語は学校で強制的に教え込まれたもの。明らかなカタコトの中国語が痛々しかった。

夜の舞踏ショーは無事開かれた。
先程話した青年も赤色の綺麗な民族衣装を纏い、踊っている。一緒にいたウイグル語しか話せないおじさんも楽器演奏者として参加している。ウイグルの音楽に乗った楽しい舞踏ショーであった。最後は客も一緒になって踊る。楽しい時間を過ごせた。ショーの終わりに先の青年と一緒に写真を撮る。十分にお礼を言って握手して別れた。


公蘇塔 ウイグル民族舞踏ショー 演奏隊
公蘇塔 ウイグル族舞踏ショー 演奏隊


翌日はトルファンツアーに参加した。トルファン賓館より毎日出ていてひとり約30元で参加できる。
まず最初に向ったのは火焔山。西遊記で有名な山で、孫悟空が芭蕉扇でその燃え上がる火を消した山だ。トルファンのシンボルでもある。草も木も生えないこの山は、夏の暑さでなるほど、燃え上がっているようにも見える。火焔山とはいい名前を付けたものだ。

火焔山
火焔山



火焔山の後、その火焔山を越えて先に進むと、岸壁に穴がぽこっと開いた平地に出る。ここが次の目的地であるベゼクリク千仏洞だ。ここは6世紀から14世紀にウイグルによって彫られた石窟寺院。14世紀頃はウイグルの人達も仏教を信仰していたが、イスラムが入ってきたため偶像崇拝を禁止するイスラムによって、仏像などは破壊されてしまったそうだ。何とも勿体ないことだ。
結構広い。大きな谷という感じの場所に、たくさんの穴があけられている。残念ながら中の石窟では撮影が禁止だが、残っている仏像や壁画はなかなか。でも、ほとんどが壊れているので、本当に残念だ。
帰りの駐車場には何故か孫悟空の像があった。三蔵法師や猪八戒、沙悟浄もその後に続く。それにしてもここは暑い。。火焔山の傍とは言えこの暑さは異常だ。もうふらふら。。


谷間のような場所にある ベゼクリク千仏洞 孫悟空一行の像
谷間のような場所にある ベゼクリク千仏洞 孫悟空一行の像


ベゼクリク千仏洞の後はアスターナ古墳へ。
ここは高昌国貴族の地下墓群である。この墓からは織物や貴重な文献が発見されている。とは言え、やはり撮影禁止。地下の墓にはミイラもあるが、暑さで集中力がなくなってきている。乾いた土地をとぼとぼと歩いてバスに戻る。。

続いて向ったのは葡萄溝。ここシルクロードはハミウリと並んで葡萄も有名だ。薄黄緑色の美味しい葡萄だ。種もほとんどなく、皮ごと食べられる。細長く大きさもちょうど良くて、次から次へと食べられる。ここではたくさんの葡萄を見学して、また後で食べるようにと購入。

アスターナ古墳 葡萄棚 甘くてみずみずしいトルファンの葡萄
アスターナ古墳 葡萄棚 甘くてみずみずしいトルファンの葡萄


葡萄溝の後は市内方面に戻り公蘇塔を見学した後、最後の場所である交河故城へ向う。
バスの窓からの眺めは、広い荒野と干しレンガで造られた土の家が見える。強く照りつける日差しと乾燥した空気がシルクロードの気候を感じさせてくれる。窓から入る風が体に当たって涼しい。

交河故城はトルファンの市街から西へ約10km、トルファン盆地の西端にある。左右を川に挟まれ台の上にあり、天然の要塞となっている。漢代の車師前王庭があった場所で、高昌国に移るまではトルファンの政治の中心地であった。
廃墟という言葉が良く似合う。荒野の廃墟だ。広い台地に様々な建物が土で作られているが、どれも崩れ落ち酷く乾燥している。ここを歩くといかに水が人にとって大切なのかを思い知らされる。今は街で買ったミネラルウォーターを手に歩いているが、当時は冷たい水どころか普通の水すらとても貴重なものであったのであろう。
しかし、暑さで気が滅入ってくる。。先程行ったベゼクリク千仏洞、アスターナ古墳、そしてここ交河故城。だんだん同じに見えてきた。。

トルファンの風景 交河故城 交河故城から川を見下ろす
トルファンの風景 交河故城 交河故城から川を見下ろす


暑かったトルファンを後に、いよいよウイグル自治区の区都ウルムチに向う。
トルファンからはバスが便利。距離も短く数時間で着く。
旅も折り返し地点までやってきた。



データ:
敦煌
敦煌ツアー ・・・ 莫高窟、古城、白馬塔、鳴沙山を廻る。市内のホテルから8時半頃出発。20〜40元。
莫高窟 ・・・ 入場料58元
白馬塔 ・・・ 入場料5元
敦煌古城 ・・・ 入場料12元、カメラ持ち込み料2元
鳴沙山・月牙泉 ・・・ 入場料8元
ハミ
ハミ王の墓 ・・・ 入場料5元
ケイス墓 ・・・ 入場料2元
トルファン
ウイグル族舞踏ショー ・・・ 入場料20元
トルファンツアー ・・・ 約20元。火焔山、ベゼクリク千仏洞、アスターナ古墳、葡萄溝、交河故城を廻る。
ベゼクリク千仏洞 ・・・ 入場料6元
アスターナ古墳 ・・・ 入場料4元
葡萄溝 ・・・ 入場料5元
交河故城 ・・・ 入場料5元
両替レート ・・・ 1元≒14円
注意 ・・・ 入場料等は「留学生価格」で購入しており、これは一般の中国人と同じ価格。中国には外国人
価格が多くある。








3.シルクロードの旅 〜ウルムチ、イーニン、カシュガル〜

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